アメニティフォーラム17と福祉ツーリズムに参加して①

2月8日から3日間、滋賀県大津市の大津プリンスホテルで開催された17回目のアメニティフォーラム。
当会から服部と並松が参加しました。

1200人の参加者、36ものプログラムが同時進行で行われます。
プログラムは深夜24時スタートというものもあり、朝の3時4時まで激論を飛ばしあったものもあったようです。
同時開催で別ホールでの映画の上映もあり、
高齢者予備軍の私たちはさすがに夜はパスしましたが、
受講するプログラムを選ぶのにも難儀するほど、聞きたいセミナーばかりでした。
印象に残っているものを一部をご紹介すると

  • オランダ発コミュニティケアの新しい形として地域ケアと総合ケアの両者のコンセプトを含むシステム構築している。多職種がチームとなり、構成メンバー全員がチームリーダーの意識を持ち、ケアを支えている。
  • 高齢者問題で、超高齢社会到来で施設が足りなくなるのは必至、いかに在宅・地域ケアを進めていくか、障害者ケアシステムも合わせてともに暮らし、気遣い合う地域づくりの重要性。
  • 生活保護制度の現状と展望、生活困窮者対策
  • 5人の政治家が語る「政治の役割、政策のプライオリティと財源の確保について」。
  • 滋賀県は「美の滋賀」を打ち出し、アールブリュット/生の芸術を推進しており、作品展も会場で開かれていました。嘉田由紀子知事はアールブリュットの作品を絶賛されていました。

などなど、あふれんばかりの情報の海の中に、たっぷりとつかってきました。

フォーラム終了後、服部はすぐに福祉ツアーバスに乗り、向かった先は近江学園。
近江学園と言えば、福祉を目指した人なら必ず知っていると思われる「糸賀一雄」氏が創設した施設です。
今では県立の児童福祉施設であり、建物は古くなっていますが、糸賀思想は脈々と受け継がれていました。
二日目は湖南市福祉政策セミナー。
発達支援システムと就労支援について健康福祉部長たちから湖南市の取り組みをお聞きしました。
支援システム構築のねらいとして

  • 一人ひとりのニーズに応じた支援
  • 保健・福祉・教育・就労・医療の充実と連携
  • そして将来を見据え、就労を目指した支援の継続性

などがうたわれており、素晴らしい取り組みにため息が出そうでした。 
滋賀では就労と暮らしは一体的に考えられており、就労するころには親元を出て地域で暮らすことが当たり前であるような環境整備がされているとのことでした。

その後、オープンスペースれがーとに移動。
「れがーと」は平成 6年「障害のある人とその家族が地域で暮らしやすく」を実現するために、私的契約によるレスパイサービスを開始したことから始まり、今では「障害があってもなくても地域で普通の一市民として暮らしていくために必要なサービスを提供する」という理念のもと、高齢者通所や子育て支援も含めて5つの事業を行っている施設です。
超有名建築家による、素晴らしくステキな建物 の中に、光と理念があふれるような施設でした。

今回の3泊4日の滋賀の旅をとおして感じ、学んだのは

  • 滋賀県には糸賀一雄氏に触発され、学び、実践した人たちが、氏亡きあとも脈々とその思想を受け継ぎ、伝え、滋賀全体に福祉の思想が広がり定着いること、
  • 市民と行政が一体となって福祉の推進を図っている、自然に普通に地域に溶け込んでいる。
  • 市民(関係者)もアツいが行政も熱い。
  • 福祉のバックボーンには医療は不可欠。
  • 自覚者は責任者である(糸賀氏の言葉より)

ということです。
ハードでしたが、参加して、大いに刺激になりました。

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                                           (服部)
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日本医師会長に聞く 横倉義武日本医師会会長と聞き手の野澤和弘毎日新聞社論説委員

地域包括ケアが目指すもの 辻哲夫東京大学高齢社会総合研究機構教授